ガスの安全と安心

ガスの基礎知識

未来へのエネルギーLPガス

LPガスは天然ガスと同じく他の化石燃料に比べて、環境に悪い影響を与える物質の排出量が少なく、地球環境への貢献から、環境にやさしいエネルギーとして世界的に注目されています。
燃焼によるCO2の排出量は石油、石炭に比べて非常に少なく、また災害時のライフラインの復旧の早さから、LPガスは「災害に強い」エネルギーと認められています。

LPガスとは

  • LPガスとは、「Liquefied Petroleum Gas」 液化石油ガスの略称で、一般的に頭文字をとってLPガスと呼ばれています。LPガスは炭素と水素の化合物で、炭素数3のプロパン(C3H8)と炭素数4のブタン(C4H10)の二種類ありますが、一般家庭で使用されているものはプロパンの方でプロパンガスとも呼ばれています。
  • LPガスは常温、常圧では気体ですが、冷却または加圧することにより比較的容易に液体とすることができるので、一般には液体の状態で貯蔵し、配送され使用するときには気体で消費されます。
  • LPガスが液体から気体になると、体積は約250倍にも増加します。また、ガス漏れした場合、空気より重い為、床面などの低いところに滞留します。そのため、LPガスのガス漏れ警報器は、LPガスを使用する器機付近の出来るだけ低いところに設置します。
  • LPガスはもともと無色無臭ですが、ガス漏れが起きたとき分かりやすいため出荷時にたまねぎが腐ったような匂いをつけてあります。
  • LPガスが燃焼するときにはたくさんの空気が必要です。空気中のガス濃度が、1.8~9.5%混じった場合に着火源があると燃焼します。そのため、空気が混合していないプロパンは着火源があっても燃焼しません。

LPガスの用途

  • 一般家庭やアパートなどの民生用
  • 飲食店などの業務用
  • 工場などの工業用
  • タクシー等によく使用されている車両用オートガス
  • 窯業用 など

すぐれた環境性

☆ LPガスはオール電化に比べ環境に優しい ☆

オール電化というと『クリーンで環境にやさしい』というイメージがあります。
しかし、各種の実態調査や比較試験においてLPガスの方が、オール電化に比べると一次エネルギーの消費量が少なく、環境に優しいことが分かっています。
(一次エネルギーとは、石炭、石油、天然ガス等を指し、一次エネルギーを燃焼させて作る電気は二次エネルギーです。)
電気を使用するときにはCO2は発生しませんが、電気をつくる時に大量のCO2が発生します。

■ 電気の使いすぎはCO2の排出量を増やす

北海道洞爺湖サミットで「世界は2050年までにCO2の排出量を半減する」と表明しましたが、このまま電力量が増え続けると2050年に火力発電量は3倍に増えてしまうとの予想もあります。
(2008.8.19 日経新聞より)

以下参考資料

■ 採掘から生産・加工・輸送および最終燃料までを含む総合的なCO2排出量の比較

各燃料の同じ熱量でのCO2排出量比較(LPGを1とした場合)
出所:(財)地球環境産業技術研究機構

■ 電力発電の実績内約

資源エネルギー庁「エネルギーとくらし」(2007)より
CO2排出企業のランキング上位20社には、電力会社が11社を占めていました(平成20年3月28日付け朝日新聞より)

■ 家庭に届くまでのエネルギーロス比較

石油化学新聞社資料より
地球環境を考えるときは、家庭に届くまでのことも考えよう!!

■ 家庭からの二酸化炭素排出量 -燃料種別内約-

出展:温室効果ガスインベントリオフィス

■ 過去1000年間の北半球の平均気温

出展:IPCC第3次報告書(2001年)